不動産投資家の自分流投資戦略(シリーズ第1回)・・・江戸川 京介(ペンネーム)

私は東京都心に家を購入することが学生時代からの憧れであり夢でした。
最初の不動産購入は都心のワンルームマンションでしたが、その後順調に運用成果を上げることができました。
ここで書かせてもらう私の不動産戦略がご参考になれば幸いです。


自宅使用を投資のリスクヘッジとする考え方


衣食住は人間が生活するために必要最低限の要素ですが、「住」取得の考え方や価格形成のメカニズムは「衣」や「食」とは異なると考えます。 住宅の取得は一時的に「使い捨て」の消費財とは違い、長期間にわたり生活の舞台となり、家族の人生を大きく左右するため、 仕様などの条件を購入者が妥協しないことが価格動向が堅調な要因のひとつと考えることができます。

住宅は、すべての年齢層や所得層に亘る大きな需要があるといえます。 一次取得の需要以外にもライフスタイルの変化とともに、二次取得の需要も発 生します。さらに自己使用(実需)以外にも投資目的の需要も存在しています。 消費財の多くが価格動向が内需が弱いことで左右される一方、住宅取得、特に 都市部の不動産取得に関しては、円安効果もあり海外の投資家にも需要も増えると考えられることも、価格が堅調に推移している要因のひとつと考えること ができます。

自分流の戦略


私が考える住宅購入の大きな魅力は次の2つに集約されると考えています。


(1)「自ら住む」という実益と投資を両立させることが可能な点
住宅購入は株式など他の投資手段と異なり、自ら住むことによって、所 有しなかった場合支払うべき賃料負担が、ローン返済に変わり、返済が進むことでバランスシート改善という形で機会収益になるのが最大のメリットであります。 また将来に備えて住宅購入し、購入当初は賃貸で運用する場合、空室が発生した場合でも、最悪「自ら住む」という選択をすることによって、 空室リスクを回避することができることが魅力であります。つまり、市場動向に左右される株式などとは異なり、自分で活用することによって、 主導的にリスク回避することが可能な点が住宅購入、不動産投資の魅力なのであります。


(2)他の投資と異なり買い時は人によって異なる点
株式などの場合は市場動向に左右されるうえ、短い時間に判断しなくてはならないため、受動に陥りやすく、 投資に必要な情報を十分に集めることが難しいといえます。その一方、住宅購入の場合、自ら設定したライフスタイルや考え方によって 自らが主導的に判断することができるうえ、購入に際しては、数ある物件からモデルハウスや実物を見たりして十分に時間をかけ十分に購入判断に 必要な情報収集をしたうえで購入の適否を判断できるのが大きな魅力であります。  自分のライフスタイルや考え方の変化によっても異なるため、十人十色で自分にとっての買い時が存在するのが住宅購入の魅力のひとつであるといえます。

住宅購入を始めたきっかけ(自己の体験)


私の最初の住宅購入は、当時入居していた東京都心部にあるワンルームの購入でした。
当時大学2年生だった私は購入当時に大学院卒業までの4年半と就職後に支払う家賃を考えた場合、購入価格が約8年分の賃料と同じであったため、 お金を支払うなら賃貸よりも購入して確実に資産を残そうと思いました。 また住宅購入を始めたもうひとつの理由は、人生の三大支出(保険、教育、住宅)を努めて早期に終わらせることで老後に備える必要があると感じたからでした。
住宅購入前の資産構成は預貯金や株式が主であり、購入当時、自分の将来のライフスタイルについては明確なビジョンはありませんでした。 しかし、住宅についてはライフスタイルの違いにかかわらず必ず必要な支出であることを認識していたため、ワンルームでもいいから早めに住宅を取得しておきたいと 感じていました。もし結婚等でワンルームに住まなくなったとしても、早期に完済することで賃料収入が増える分、住宅の二次取得時にもローンの早期完済の原資になるし、 老後の年金代わりにもなると判断し、最初の住宅取得としてワンルーム購入に踏み切りました。

これまでの主な住宅取得履歴(自己の体験)


私の最初の住宅購入は、東京都心の20㎡強のワンルーム購入でしたが、それから2年後、機会収益を得て貯金が増え、 大学院進学と仕事(当時は大学に行きながら会社で勤務をしていた)に必要な書籍が増え始めてきたため、住んでいたマンションが手狭に感じるようになりました。
そこで、大学院から近い場所にある広めの1LDK(40平米台)のリノベーション済み中古マンションを購入しました。当初、 リノベーション費用は別途手配するつもりでした。しかし、リフォームローンは金利が高いうえ、借入期間も短いため、毎月の支払負担が非常に大きいという デメリットがありました。学生の傍ら会社に勤務していた私は、金利が下がり始めていた当時、低金利で住宅ローンを組むことができたため、 リフォーム部分も住宅ローン適用の安い金利で資金調達ができました。2軒目のローン返済は、ローンの無くなった1軒目の家賃収入もあったため 予定よりも大幅に早く繰り上げ返済することができました。このように自己使用だったものから賃料収入を得る方法で不動産を増やし、 その後は結婚を視野に入れて東京メトロ駅近の新築ファミリータイプのマンションや、築年数は古いのですが中古の戸建を購入するに至りました。 現在の会社は、住宅手当が一部支給されるため、賃貸マンションに居住し所有物件全てを賃貸していますが、空き家リスクが生じた場合には、自ら住むことによってリスクヘッジしようと考えています。
賃貸マーケットは賃貸住宅の供給数が増えてきているため、かつてほどマーケットは強くありませんが、 自分で居住することを前提に購入した物件であれば、居住スペースの質がなど物件の魅力もあるし、ある程度手を加えてあるので、 アパートのような賃貸専用の物件とは異なり、適正な賃料であれば、一定の競争力を有する物件だと考えています。

まとめ


住宅購入は自分の人生の基盤づくりであり、自分が生きた証を子孫に活用できる不動産という「形」で残せる数少ない方法であるため、 自己実現の側面が強いのですが、投資という観点から見た場合にも、自ら活用することで機会収益を得たり、 空室のリスクヘッジが可能であるというメリットがあります。また自分のライフスタイルによって、住宅の活用方法は無限に広がるといえるため、 住宅購入は自分の人生をより豊かにするために必要な手段のひとつであるといえます。

住宅を購入するうえで、将来を予測することは不可能であり、住宅購入を取り巻く環境は複雑化しておりますが、 前述のとおり、購入のタイミングは人によって異なり、あくまで自分のライフスタイルを第一に考えたうえで、住宅を購入することをお勧めします。



※次回は、
「住宅購入を取り巻く環境と住宅購入の必要性」についてコラムします! 江戸川 京介



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