不動産競売ってお得なの?競売の仕組みと競売物件の注意点

不動産競売物件という言葉は聞くことがあっても、どういう物件が競売の対象になるのか、 価格は安そうだけれど実際どうなのか、どこで情報を手に入れるのか、はっきり分からない方が多いのではないでしょうか。
そこで今回は、不動産競売の仕組みや競売物件の注意点についてご紹介します。







不動産競売の仕組みとは?

そもそも競売物件とは?
競売物件とは、支払い義務のある「債務者」が支払いを怠ったため、支払いを受ける権利のある「債権者」が債務者の不動産を差し押さえて換金してほしいと裁判所に頼んだ物件です。 住宅ローンの場合、債務者は住宅ローンを組んで不動産を所有している方。 債権者は、住宅ローンを貸し出している銀行などです。 差し押さえとは、債務者による処分を禁止することです。 つまり、債務者が勝手に売却してしまわないようにしておくことです。

競売物件のメリットは、「掘り出し物」と感じるような物件があるという点です。
通常の相場価格からは考えられないような、売却基準価格が設定されていたりします。 また、売り物件がなかなか出ないようなエリアで、物件に出会えたりする可能性があります。
物件種目も多岐にわたっており、居住用の物件から、不動産投資に向いている一棟マンションやアパート、農地や山林などさまざま。 普通に探すと見つからないような物件もあるかもしれません。



入札と落札について
競売物件は、債務者本人などを除いて誰でも入札可能です。 入札によって落札額が決まるため、物件情報には販売価格ではなく、評価人の評価に基づいて定められた売却基準価額が記載されています。 各物件には入札期間が設けられており、最も高額の入札をした人が落札できます。
入札時には、裁判所から入札セットを受け取り、必要事項に記入。 保証金を納付後、期間内に入札書などの必要書類を提出する必要があります。 落札したら、代金を納付し所有権移転の手続きをします。 代金の納付に関しては、銀行のローンも使えるため、事前に確認しておくと良いでしょう。



物件情報はどこで見る?
不動産競売物件の情報は、裁判所に足を運ぶことで確認可能です。 裁判所へ行くと、3点セットと呼ばれる「現況調査報告書」「評価書」「物件明細書」がまとめられているファイルを閲覧できます。 また、3点セットを確認できるWebサイトも存在するため、裁判所に行く時間が取れない場合はチェックしてみると良いでしょう。



競売物件の注意点

安さだけを求めて競売物件に手を出そうと考える方もいるかもしれませんが、基本的には初心者が手を出すべきではないと思っておいた方が良いでしょう。 また、評価額が相場より低いほど、リスクは高くなります。

通常の不動産取引には売主がいますが、競売物件に売主は存在しません。 つまり、売主が負うべき義務や責任が発生しないため、通常の不動産取引では当然と思われる引き渡し義務も発生しないのです。 登記上で所有者が移転するだけなので、もし手に入れた競売物件にまだ住人がいても、退去などの交渉は自分でしなくてはなりません。 瑕疵(かし)担保責任についても責任を負う売主が存在しないため、致命的な傷みや雨漏りなどの瑕疵(かし)が見つかったとしても自分で補修するしかありません。
不備がある物件ばかりではありませんが、不動産のプロでもない限り、不動産競売の代行サービスを利用すべきでしょう。 安易に手を出すと、安く手に入れたメリット以上の負担を負うリスクがあります。



おわりに

今回は、不動産競売の仕組みや競売物件の注意点についてご紹介しました。 相場より安く物件を購入できるチャンスがある一方で、リスク回避が非常に重要となる不動産競売。 あくまで競売のため、優良物件であるほど、結局は相場と変わらない価格で落札されるケースが少なくないことも理解しておく必要があります。 あまり市場に出回らない条件など、落札したい物件がある場合は専門家の力を借りた方が無難でしょう。

(平成29年4月)





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